この記事で答える疑問
- アメリカでの採用面接がどのようなものか知りたい
- その採用面接を突破するコツを知りたい
この記事は以下のような方にお勧め
- 将来海外で特にアメリカで働いてみたい
- 外資系への転職に興味がある
この記事の内容
- アメリカでの採用面接を突破する8つのコツ
- STARテクニックを活用する
- 質問が聞き取れなかったら聞き直して確認する
- 質問に答えているか確認する
- 募集要項を読み込んでニーズを考える
- 事前にインタビュアーの経歴を確認しておく
- 相手との共通点を引き出す
- リクルーターのメールから面接で聞かれる内容を推測し準備する
- Thank you letter を出す
- 面接体験談
この記事を書いている人
記事を書いている私(@EngineerLifeOrg )は、日系メーカーでエンジニア職を5年経験したのち退職、私費にてMBA留学。MBA卒業後はアメリカのGAFA本社でエンジニアとして働いています。エンジニア歴10年。
アメリカでの採用面接を突破する8つのコツ
1. STARテクニックを活用する
STARとはSituation, Task, Action, Resultの頭文字を取ったもので、STARテクニックとは成果を効率的に伝えるためのフレームワークです。STARテクニックは面接だけでなく、入社後、定期的にあるであろうパフォーマンスレビューの際にも活用できます。
Situation
これから話す内容の背景を説明します。ただしこの部分は長くなりすぎないよう必要最低限のボリュームにします。次のTaskで話す内容が理解できる状態にするのがこのSituationでの主目的です。
もう一つの目的としてはどれだけ重要なことをやっていたかを理解してもらうことです。
Task (Challenge)
次に自分の課題を説明します。自分が成し遂げたことがどれだけ難しいことなのかをこのTaskで伝える必要があります。
Action
課題に対してどのような行動を取ったのかを説明します。ここで独自のアイディアがあるのが望ましいです。インタビュアーは候補者がどのように思考しどのように行動したか、を知りたがっています。このセクションがメインディッシュになるイメージです。ですので比較的ボリュームを割きましょう。
Result
最後に行動の結果どうなったかを説明します。面接では良い結果が得られたケースの話をすることが多くなると思いますが、インタビュアーによっては失敗談を聞いてくることもあります。
2. 質問が聞き取れなかったら聞き直して確認する
面接の際、少しでも英語が聞き取れなかった部分があれば、推測して答えるのではなく、聞き返して理解してから質問に答えるべきです。特に面接の最初の質問が聞き取れなければ、確実に聞き返しましょう。
Could you speak slowly again?と言えばゆっくりと再度質問してくれるはずです。最初の質問でこれをできれば、後の質問のスピードも下げてくれる可能性が高く、楽になります。
あまり聞き返すと印象が悪いのでは、と感じる必要はありません。むしろ堂々と聞き返してしっかり理解する姿勢を示す方が、ぼやっとした理解で話を進めるより、はるかに印象が良いです。
3. 質問に答えられていたかを確認する
質問に答えた後、インタビュアーの反応がいまいちだったりした時は、質問に対して適切に回答していたかどうかを確認するのも有効です。
もし質問に答えられていなかった場合は、インタビュアーがそう教えてくれるはずです。
再度、解答し直すのも問題ありません。むしろ有効ですので新たな理解のもと話をしましょう。
4. 募集要項を読み込んでニーズを考える
事前に募集要項を読み込んで、採用側が欲している要素を確認しておきましょう。
自分の一番の売りが相手が欲しい要素とは限りません。
極端な例で言えば、日本人にとって英語ができることはある一つのスキルとみなせますが、アメリカではスキルでもなんでもないです。当たり前ですが、英語が得意だ、とアピールしても意味がないです。
他にも、特定の分野での経験を高く評価してくれるケースもあります。自分にとってはそこまで価値のある経験だという意識がなくても、採用側が評価することもあるのでしっかりアピールできるようにしておくと良いでしょう。
5. 事前にインタビュアーの経歴を確認しておく
可能であればLinkedInでインタビュアーの経歴を確認しておきます。
インタビュアーの経歴から、インタビュアーの前提知識を想定できます。そうすることでこちらの説明の仕方を調整できます。
例えばインタビュアーがゴリゴリの技術バックグラウンドであれば、こちらもそれを前提としてより深い技術的説明ができます。
一方で相手がエンジニアではなくプロジェクトマネジャーだったりすると、技術的な説明は簡単なものにしながら、相手の質問に答えていく必要があります。技術に詳しいプロジェクトマネジャーもいるのでその辺りは反応を見ながら調整します。
6. 相手との共通点を引き出す
一般に、自分との共通点があることがわかるとより相手に親みを持つことが知られています。Unconcious biasの一つで、similarity bias とか ingroup bias と呼ばれています。無意識のうちに相手に好感を持ちやすくします。
大企業ではこういったUnconcious biasを排除するためのトレーニングをしているはずですが、完全に排除するのは難しいです。
事前に相手の経歴から自分との共通点を探しておき、適切なタイミングで触れることも効果的かもしれません。
例えばインタビュアーが日本で働いた経歴があったりだとか、日本の取引先と仕事をしていただとか、そのあたりで話を膨らませることができるかもしれません。
7. リクルーターのメールから面接で聞かれる内容を推測し準備する
面接の日程が決まるとリクルーターがメールをくれます。メールには面接の日時、インタビュアーの名前が記載されています。
その他に面接の主目的が記載されていることがあります。例えばプロジェクトをリードした経験について、や国際経験について、などです。
それらの文言は漠然としたものがほとんどですが、そこから実際にされるであろう質問を推定し、回答や具体例を準備しておくことが有用です。
例えば 技術開発についてとの文言があれば、新規に開発した技術についての経験談、解説を準備しておきます。どのようにプロジェクトを定義し、進めたか、どのような困難がありそれをどう克服したかなど、ストーリーを語れるようにしておきます。
8. Thank you letter を出す
面接後にはインタビュアーへお礼のメールを出しておきましょう。
会社によっては、Thank you letterが採用に影響することはない、と明言しているところもありますが、悪く作用することはほとんどないと思います。出すな、と事前に言われていない限り、とりあえず出しておくことをお勧めします。
面接体験談
ここからは実際に私が経験した面接の流れを解説したいと思います。
元同僚からお誘いのメッセージ
ある日、元同僚からテキストメッセージが来ました。エンジニアを募集しているんだけど、興味ないかと。
その元同僚は私とほぼ同時期に入社し、入社後2年間ほど一緒に仕事をし、転職していったエンジニアでした。転職からは2年ほど経っていました。
もし興味があるならレジュメを送って欲しいとのことだったので、転職にはそこまで興味はありませんでしたが、試しにとレジュメを送ることにしました。
レジュメのアップデート、送付
週末を費やしてレジュメをアップデートすることにしました。
私の場合はMBA時代に作成したレジュメがあったのでこれを元に4年間分のアップデートを加えました。
アップデートした後、レジュメを元同僚に送付しました。
面接の調整
レジュメを送ると数日中にリクルーターからメールが来ました。
Hiring Manager との面接を設定するとのこと。
こちらの希望する時間帯をいくつか伝えるとリクルーターが面接の日程を調整してくれました。
インタビュアーとなるHiring Managerの名前も教えてくれました。
Hiring Managerの調査
名前がわかったので早速LinkedInで検索。
するとHiring Managerも元々は私が現在いる会社にいたことがわかりました。
また、経歴からエンジニアからマネージャーになったこともわかりました。
Hiring Manager との1:1での面接
Hiring Managerとの面接はオンラインで行われました。時間は約1時間。
終始、相手はニコニコで圧迫面接みたいなことは全くありませんでした。
内容は、これまでの経験についてと話したのと、いくつかの簡易なケーススタディーをしました。
また、なぜ転職を考えるのか、なぜうちの会社に来たいのか、何を期待しているのかといった志望動機も聞かれました。
プロジェクトチームメンバー計6人との面接
Hiring managerとの面接が終わって数日後にリクルータから電話があり、他のメンバーとも面接をして欲しいとのこと。
メンバーとの面接は全て1対1の形式で、合計6人。1回の面接時間は45分、2日に分けて面接することに。メンバーは主にHiring Managerの部下、もしくはプロジェクトを共にすることになると思われる人たちでした。
各メンバーはそれぞれ担当が異なるので異なる視点で質問が行われました。大半のメンバーは主に技術的な質問をしてきました。該当の役割で必要となると思われる内容でした。
ある面接では、チームワークに関わる質問もされました。どのような人となら仕事がしやすいか、どのようにチーム間の折衝を行うか、など。
また、技術的なケーススタディーもありました。あるプロダクトを想定し、どのように開発を進めるかを議論していくというものでした。キーとなるパラメータや開発を進める上での注意点を指摘していくというものでした。
全体的な感触はどれも良好で、あるメンバーは、あなたの経歴はmore than excellentなので推薦するよ、とまで言ってくれました。
フォローアップ面接
プロジェクトメンバーとの面接が終わり、1週間ほどして、再度リクルーターから連絡がありました。
フォローアップの面接をしたいとのことでした。
Interviewer はTech Lead teamのチームリーダーで形式はケーススタディでした。問題の設定をInterviewerが説明し、そこからディスカッションのような形で答えていきました。
いくつか問題設定がはっきりしないところがあり質問しました。Interviewerも問題設定が不十分だったと感じたのか、しっかり説明し直してくれました。
面接自体はそこそこの感触で終わりました。
Hiring Managerから連絡あり
フォローアップ面接の後、1週間して、Hiring Managerから連絡あり。まず選考やポジションに関して何か質問はないのかと切り出したので、こちらからいくつか質問をしました。
こちらからは勤務地であったり組織のことを質問しました。
こちらの質問の後、Hiring Managerからの質問があり、改めて何を求めてFBに来たいのかと聞かれました。
こちらからは3つ提示しました。1つ目は働き方のフレキシビリティ、つまり勤務地をこちらで選べるか、ということ。二つ目は仕事の幅を広げられること。3つ目はチームを率いる機会があること。
人事からほぼほぼオファーを出すという連絡
Hiring Managerとの電話の後、すぐに人事からメールがあり、Congratulationの文字。ただし、これから内部での承認プロセスを進めるが途中で再度フォローアップ面接を要求されたり不採用になる恐れもあるよ、と。
また、プロフェッショナルリファレンスを取りたいので2〜3人候補の人をあげてほしい、とも。このプロフェッショナルリファレンスではWeb surveyのようなことをするだけのようでした。
リファレンス探し
現在所属している会社のメンバーにはリファレンスはお願いしにくいので、誰にお願いするか悩みました。転職していった人ならお願いしても問題ないので転職者をリストアップしてそこから選ぶことにしました。
リファレンスはFB社内でも良いようでした。ただし、転職して一年以内の人はリファレンスになれない、という契約の人もいるので注意が必要です。
つまりA社からB社への転職考えているとしたとき、自分より先にA社からB社に転職した人にリファレンスを頼む場合、その人が転職したのが一年以内だとリファレンスを頼めない、ということです。
私の場合は何人か一年以上前に転職した知り合いがいたので彼らに依頼しました。
再度フォローアップ面接
リファレンスを送付してしばらくすると、再度フォローアップの面接をしたいという旨のメールが送られてきました。
メールに記載されたInterviewerの氏名には見覚えがありました。LinkedInで検索すると、またもや元同僚でした。
面接の冒頭では、前に同じ部署で働いてましたよね、という話から入りました。その後、相手側のバックグラウンドの説明があり、次にこちらの経歴の説明をしました。
面接の主題は技術的な話で、かなり基本的な内容から聞かれました。やや私の専門からズレる部分もあったのですが、なんとかそれなりに応答できました。
そして最後はこちらからの質問で終わりました。
面接結果
2度目のフォローアップ面接の後、数日して人事からメールがありました。オファーを出す、とのこと。メールの翌日、電話があり、おおよそのベースサラリーやボーナスについて説明がありました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。アメリカでの採用面接のイメージが湧いたでしょうか。
以下、この記事のまとめです。
- アメリカでの採用面接を突破する8つのコツ
- STARテクニックを活用する
- 質問が聞き取れなかったら聞き直して確認する
- 質問に答えられていたかを確認する
- 募集要項を読み込んでニーズを考える
- 事前にインタビュアーの経歴を確認しておく
- 相手との共通点を引き出す
- リクルーターのメールから面接で聞かれる内容を推測し準備する
- Thank you letter を出す
- 面接体験談
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