シリコンバレーのテック企業でエンジニアとして働いたとき、どれくらいの年収になるのか知りたい
本記事の内容
- シリコンバレーのテック企業で働くエンジニアの年収は
- テック企業の年収の構成
- シリコンバレーにおけるエンジニアの年収の上がり方
本記事でのドル円換算は$1 = 110円としてます。
この記事を書いている私ENGINEER LIFE管理人は、現在シリコンバレーでエンジニアとして働いています。
シリコンバレーテック企業のエンジニアの年収は
転職初年に2000万円、4年目には3000万円越え
シリコンバレーのテック企業でエンジニアをやる場合、例えばある程度の経験がある方であれば、初年度に年収2000万円越え、4年目には3000万円越えは現実的です。
給与の構成をざっくり言うとベースサラリー、RSU、キャッシュボーナスの三つです。ここに臨時のボーナスや初年度であればサインボーナスがあったりします。これらを全て含めた年収をTotal Compensation, TCと言ったりします。
Glassdoorというwebsiteでは各企業の給与が投稿されていて、100%信用できるわけではないですが、ある程度の目安にはなります。例えばGoogle software engineer であれば$130,000(1430万円)、Apple hardware engineer であれば$135,000(1490万円)といった感じです。
これらの値はベースサラリーなのでここにRSUやキャッシュボーナスが加わってきます。また、上記のGlassdoorのベースサラリーもおそらく新卒レベルのエンジニアで、中堅エンジニアはこれより幾分上です。
昇給に関してですが、会社により仕組みは異なるかと思いますが、大体年に1回もしくは複数回あるパフォーマンスレビューによりベースサラリーの上昇率とRSU割り当て、キャッシュボーナスが決まります。
テック企業の年収の構成
シリコンバレーのテック企業で働くエンジニアの給与の構成はおよそ以下のようになっています。
- ベースサラリー
- RSU
- キャッシュボーナス
- * 臨時ボーナス / サインボーナス
ベースサラリー
このベースサラリーを分割した金額が定期的に口座に振り込まれます。ベースサラリーはパフォーマンスに応じて3から10%程度上がっていきます。昇格したり、マネージャーに昇進したりすると、その時にもグッと上がります。
RSU
Restricted Stock Unit。自社の株がもらえます。このRSUには2つのステップがあって、それがGrantとVestです。まずパフォーマンスレビューが終わると、その年にGrantされる金額が決まります。例えば2020年の6月に$100,000がGrantされるとしましょう。ただ、その株はすぐには手元に入りません。4年間にわたって分割してVestされます。なので2020年6月にGrantされた株が最初にもらえるのは2021年の6月で、その時に$25,000の株がVestされます。厳密には2020年6月に$25,000の価値だった株が2021年6月にVestされます。ですので株価の変動も効いてきます。
RSUはパフォーマンスに問題がなければ毎年Grantされます。毎年GrantされるRSUをRSU Refreshといったりします。一方で、Vestは4年間にわたって行われるので、VestされるRSUは年を追う毎に重なっていくことになります。この効果がとても大きいです。
キャッシュボーナス
これは日本の企業でもよくある通常のボーナスのイメージです。その年のパフォーマンスに応じてもらえます。個人のパフォーマンスだけでなく、部門としてまたは会社としてのパフォーマンスも影響すると思います。ベースの金額の10~20%という感じでしょうか。
臨時ボーナス
突如としてお金をもらえたりします。例えば、同僚が同業他社に引き抜かれたりすると、同じことが他のメンバーにも起こることを事前に阻止するためにRSUを分配することがあったりします。
シリコンバレーにおけるエンジニアの年収の上がり方
ここでは年収の上がり方をざっくりではありますが、ある程度定量的に示しました。当然会社、職種、業種、ポジション、等でばらつきはありますが、ひとつの参考例として。
ここでの設定はこんな感じです。
- シリコンバレー大手テック企業本社
- 中堅エンジニア(経験5年程度)
- 入社時ベースサラリー $150,000
- 入社時RSU付与 $120,000
- サインボーナス $30,000
- ベースサラリー年上昇率 5%
- RSU Refresh $100,000
- キャッシュボーナス ベースサラリーの10%
1年目の年収 $210,000 => 2310万円
- ベースサラリー $150,000
- RSU $30,000 (= $120,000 / 4)
- サインボーナス $30,000
2年目の年収 $228,000 => 2500万円
- ベースサラリー $157,500 (= $150,000 * 1.05)
- RSU $55,000 (= $120,000 / 4 + $100,000 / 4)
- キャッシュボーナス $15,000 (= $150,000 * 0.1)
3年目の年収 $261,000 => 2870万円
- ベースサラリー $165,400 (= $157,500 * 1.05)
- RSU $80,000 (= $120,000 / 4 + $100,000 / 4 + $100,000 / 4)
- キャッシュボーナス $15,750 (= $157,500 * 0.1)
4年目の年収 $295,000 => 3240万円
- ベースサラリー $173,700 (= $165,400 * 1.05)
- RSU $105,000 (= $120,000 / 4 + $100,000 / 4 + $100,000 / 4 + $100,000 / 4)
- キャッシュボーナス $16,540 (= 165,400 * 0.1)
上記のような感じでしょうか。実際にはRSUの株価の値上がり分があったり、昇格昇進、臨時ボーナスなどでさらに上がる可能性もあります。また、逆に成果が出ていなければRSUやキャッシュボーナスが出ない、というケースもあるでしょう。
まとめ
パフォーマンスにシビアな面はありますが、総じてエンジニアのキャリアとしてとても魅力的ではないでしょうか。シリコンバレーでエンジニアとして働くことに興味があるかたの参考になれば幸いです。
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