シリコンバレーでエンジニアとして働いてみたいがどうしたら働ける?お勧めのやり方は?リスクはないの?
一読者の疑問
この記事ではそんな疑問に答えます。
記事を書いている私(@EngineerLifeOrg )は、日系メーカーでエンジニア職を5年経験したのち退職、私費にてMBA留学。MBA卒業後はアメリカのGAFA本社でエンジニアとして働いています。現在4年目。
本記事の内容
- シリコンバレーでエンジニアとして働く3つの方法
- シリコンバレーでエンジニアになるためのお勧めの方法
- シリコンバレーでエンジニアをめざす上でのリスク
- 実際にやってみた→シリコンバレーでエンジニアになれた
シリコンバレーでエンジニアとして働く3つの方法
シリコンバレーでエンジニア職を得るまでのルートはいくつかあると思いますが、その中でも比較的可能性の高いもの3つを挙げます。
- 国内大学・企業 → アメリカの大学・大学院 → シリコンバレー企業就職
- 国内大学・企業 → 外資日本支社 → シリコンバレー本社転勤
- 国内企業 → シリコンバレー企業転職
1. 国内大学・企業 → アメリカの大学・大学院 → シリコンバレー企業就職
最もおすすめかつスタート地点で要求されるスキルが最も低い方法です。ここでは最初のステップとしてアメリカの大学・大学院としていますが、これはアメリカの大学に在籍していればOPTやCPTといった就業許可が得やすいためです。
まず最初のステップとなる海外大学留学に必要となる最低レベルのスキルをかなりざっくりというと、英語でTOEIC 800後半以上、TOEFL iBT 90以上といった感じでしょうか。当然狙う大学のレベルにもよりますし、大学か大学院か、でも変わってきます。専門分野に要求されるレベルとしては国内上位大学・大学院でしっかりと研究できていて、すでに大学院であれば論文を出せている、といった感じでしょうか。
海外大学・大学院から現地採用される際のスキルはそれよりも高くなり、英語のレベルはTOEIC900後半、TOEFL iBT 100以上、またその専門分野で評判のよい大学院を出ていること、といった感じです。
この方法の難点は時間とコストがそれなりにかかる点です。私の場合は大学院留学をしましたが、留学準備に2年程度、また留学そのものに2年かかりました。コストについては生活費、学費を合わせて少なくとも2000万円ほどはかかっていたと思います。
2. 国内大学・企業 → 外資日本支社 → シリコンバレー本社転勤
一つ目の方法の次に可能性があるかな、と個人的に思っている方法です。
この方法での利点は外資日本支社に在籍している限り、常に本社転勤を狙える点にあります。特に会社を辞めたりする必要がなく、必要となるコストもないのでリスクは低いです。
難点はシリコンバレーに本社を持っている会社の日本支社に就職するのが困難という点でしょうか。例えばGoogle 日本法人や Apple Japanにはそもそも入社するのが相当難しいことが想像されます。
しかしながら、VISAの観点から、日本の大学・企業から直接シリコンバレーの本社を狙うよりは現実的かと思います。
3. 国内企業 → シリコンバレー企業転職
私個人的には最も必要となるスキルが高く難しいと思う方法です。
海外の企業が日本の会社から直接、人材をとるというのは、よほどのスキルがその人にある場合を除いてほぼない、といってよいでしょう。これは通常、日本で働いている人をアメリカの企業が採用する場合、企業側にVISAをサポートする負担が生じるからです。同一レベルの人材が現地にいる場合、日本で働いている人をわざわざ採用するメリットはありません。
ですのでこの方法で採用されるには、その分野で際立ったスキル及び経験が要求されます。例えば、その業界で名前が知られているとか、業界トップの企業で活躍した実績・経験がある場合などです。ハードウェアの業界で言えば、SonyやCanonといった企業のイメージセンサやレンズ関連の技術は、世界的にも競争力があると考えられており、そこで活躍できる技術者と同等レベルのスキル・経験があれば、VISAをサポートしてでも採用したいと考える海外の企業はあるでしょう。
シリコンバレーでエンジニアになるためのお勧めの方法
おすすめの方法は上記の1つ目のやり方を少しアレンジした方法で、海外留学→インターン→本採用というものです。”日本から直接採用”に比べて、遥かにハードルが低いと思います。
“海外留学→インターン→本採用”を勧める理由は以下の3つです。
- 労働許可の取得が比較的容易
- インターン中に能力、経験をアピールできる
- 英語力を鍛える準備期間がある
アメリカ大学在籍→インターンであれば労働許可が取りやすい
アメリカの企業が海外(アメリカからみた日本)から本採用でとる場合、企業側はVISAのサポートをする必要が出てきます。このプロセスに時間とお金がかかります。その分、企業側は採用に慎重になります。
一方で、アメリカの大学に在籍している学生をインターンとして採用する場合、CPTという仕組みを利用することにより、比較的容易に労働許可を得ることができます。また、インターンであれば期間限定ですので、その分企業は採用に踏み切りやすい環境と言えます。
また、卒業後もOPTという制度を使い1~3年間の労働許可を得ることが可能です。その間にH-1Bやその他の労働VISAを得る、というのがよくあるパターンです。
インターン中にスキルをアピール
現在働いている方を採用するとなると、当然ですが、試しに働いてもらう、といったことはできません。書類選考や面接で能力、経験をアピールすることになります。
一方で、インターン中には社内のメンバーと共に仕事をするわけですから、仕事で結果を出すことにより、面接や書類選考よりもはるかに説得力のあるアピールが可能です。
留学中に英語を鍛える
日本で働いている方は英語に触れる機会も限られていることが多いと思うので、英語力がネックになりやすいです。
留学する場合であれば、インターンまでには海外留学を少なくと1年ほど経験していることになるので、ある程度英語の環境に慣れている分、有利でしょう。
シリコンバレーでエンジニアをめざす上でのリスク
私は日本で工学修士を取り、国内の製造メーカーに就職しました。いつか海外で働いてみたいという想いがあったので海外駐在のポジションを目指していましたが、なかなかチャンスがありませんでした。このままではまずい、とにかく日本を出なければ、という想いにかられ海外留学することにしました。
言うまでもなく社会人になってから留学することにはそれなりにリスクが伴います。企業派遣で留学が出来れば別ですが、そうでなければ会社を辞めて自費で行くことになります。収入は無くなる一方で、支出は増えます。学費はアメリカであれば年500万円ぐらいかかります。また、卒業後、就職できる保証もありません。
私自身は、あまり深く考えることなく会社を辞めてしまいましたが、上述した内容をリスクだと感じる方は会社を辞める前にはしっかり考えましょう。
実際にやってみた→シリコンバレーでエンジニアになれた
私は実際にこのルートでシリコンバレーでエンジニアとしての職を獲得できました。アメリカに留学をして、そのままアメリカで職を得られるかどうかは、インターンを取れるかどうかにかかっていると感じています。
成功の鍵はインターンの獲得
私自身も、まずはアメリカの大学に留学し、そこで勉強しながら、インターンのオファーを獲得しました。インターン先の企業には一回の面接でインターンのオファーを出してもらいました。その会社は通常の採用ではチームメンバー全員との面接を行い、誰も異論がない場合にのみオファーを出すとか。VISAのサポートが必要でしかも片言の英語を話す日本人がそれら本採用のプロセスを突破するのは不可能に近いです。
インターンから本採用は根性
インターンから本採用を狙う場合であれば、短期ではありますが仕事の成果で評価されますから、ある程度は根性でなんとかなります。私もインターン中はかなり苦労しましたが、とにかく期限通りに成果を出すことに集中しました。
時間、お金はかかります
正直、このルートは時間がかかります。お金もかかります。私は留学準備から数えるとシリコンバレーで働き始めるまでに4年ぐらいかかりました。資金も学費や生活費諸々で2~3000万円ほど必要になりました。現在社会人の方で時間もお金も余裕がない、という方は直接採用も当然アリだと思います。
やってみてよかったです
実際にやってみましたが、いろいろな経験もすることができましたし、運もかなりよかったと思いますが、私はこのルートでシリコンバレーでエンジニアの職を得ることができました。このルートは現在シリコンバレーでエンジニアとして働きたい方の一つの選択肢にはなるのかなと、思います。もし、海外留学そのものにも興味があり、スキルをもっと伸ばしたい社会人の方、もしくはまだ学生の方には特におすすめします。
まとめ
いかがだったでしょうか。シリコンバレーでエンジニアになるための方法についての理解が深まりましたでしょうか。
以下、この記事のまとめです。
- シリコンバレーでエンジニアとして働く3つの方法
- 国内大学・企業 → アメリカの大学・大学院 → シリコンバレー企業就職
- 国内大学・企業 → 外資日本支社 → シリコンバレー本社転勤
- 国内企業 → シリコンバレー企業転職
- シリコンバレーでエンジニアになるためのお勧めの方法
- 海外留学→インターン→本採用
- シリコンバレーでエンジニアをめざす上でのリスク
- 実際にやってみた→シリコンバレーでエンジニアになれた
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また、英語については過去にも記事を書いています。