現在、エンジニアでMBAに興味があるが、MBAで学ぶことにどんなメリットがあるのか具体的に知りたい。
本記事の内容
- エンジニアがMBAをとるメリット5選
- 転職の幅が広がる
- 英語にビビらなくなる
- 他業種/他職種の人脈ができる
- エンジニアとしてより広い視野をもてる
- エンジニアリングが結局一番面白いことがわかる
- エンジニアからのMBAはおすすめ
この記事を書いている私ENGINEER LIFE管理人は、日系メーカーで働いた後、海外MBAをとり、現在シリコンバレーでエンジニアとして働いています。
エンジニアがMBAをとるメリット5選
1. 転職の幅が広がる
多くの人にとってこれが最も大きいメリットではないでしょうか。転職の幅が広がることです。
MBAの転職についてはとても良い枠組みが出来上がっています。留学前の企業説明会、ボスキャリ、大学主催の説明会などです。MBA生に興味のある企業と接触できる機会が多く設定されています。
企業側はMBAの受験をある種のスクリーニングとして使っています。MBA留学できるということで、英語力、基礎学力、論理力などをある程度期待できる、と考えているのでしょう。
また、これに加えてエンジニアならではのスキルや経験を重ねることで、キャリアを際立たせることができます。エンジニアならではの分析力、業界の専門知識などです。
特に以下の業界は評価してくれます。
- コンサルティングファーム
- ベンチャーキャピタル
- 外資Tech
私もコンサルティングファームからはいくつかインターン、及びフルタイムのオファーをいただきました。また、外資TechではGAFAのうち2社からインターンのオファーをもらい、インターンをした一社からはフルタイムのオファーをもらってそのまま入社を決めました。ベンチャーキャピタルの方々とも話す機会がありましたが、エンジニアバックグラウンドに関しては好意的な反応でした。
ちなみに頂いたオファーの中で待遇が良かったのは断トツで外資Techでした。詳細は以下の記事をご参考ください。
確かに、より良いポジション・待遇で転職できるか、という点においては確実なことは言えませんが、MBAを高く評価してくれる企業も、それら企業と接触する機会もあります。
2. 英語にビビらなくなる
当たり前ですが、海外MBAに来れば、英語の環境にたっぷり浸ることができます。
海外MBAでは全て英語で授業が行われます。そこでグループディスカッションやプレゼンがあります。強制的に自分を英語の環境に追いやることが可能です。英語でディスカッションしたり、プレゼンしたりする機会が無限にあります。将来的に英語を使って仕事をしたい方、海外で仕事したい方にとってはとても良い訓練になるのではないでしょうか。また、日本で働くエンジニアで英語が堪能という方は少ない、印象です。ですので、英語をある程度使いこなせるエンジニアは、日本で働く場合においても重宝されるのではないでしょうか。
私も、日本にいる頃から何年も英語を勉強してきてはいましたが、業務ではほとんど使ったことがなく、実戦での英語の経験はほとんどありませんでした。MBAでは、英語を通じて情報を吸収し、英語を使って表現すること、を日常的に行うので、これまで勉強してきたことを実際に使えるようにするためのトレーニングとしてはとても良いです。このMBA2年間である程度英語に慣れることができたからこそ、シリコンバレーで働けているとも、思います。
海外で働くのに必要な英語力については以下の記事で詳しく解説しています。
日本人コミュニティに入り浸ってしまうと、やや英語へのexposureが減るのは確かですが、それでも英語からは逃げ切ることはできません。
3. 他業種/他職種の人脈ができる
他業種・他職種の人脈ができることもMBAの大きな魅力の一つです。
MBAは業種、職種かかわらず、いろいろな方面から人びとが集まってきます。元々、そういう機会に恵まれている方には特別感はないかもしれません。ただ、私の経験上ではエンジニアの方たちは割と内向的な人が多く、他業種や他職種の方々と交わるような機会もあまりなく、自らそういう機会を探すこともなく、結果としてエンジニア同士のコミュニティーに居続けることになる気がします。
ただ、MBAにくれば、半強制的にいろいろな業種職種の人たちとグループワークを組むことになるので、結果としてそこから繋がりが作れます。他業種・他職種の方の意見や考え方に触れる機会というのは、技術部門の中でコミュニケーションが閉じている人には特に貴重なのではないでしょうか。
私も会計やファイナンス、調達、オペレーションといったバックグラウンドの方と触れ合えて、普段どういう考え方でどういうことをしていると言ったことがイメージでき、視野が広がった気がします。卒業後数年経った今でも連絡し合う繋がりがあり、とても価値のある留学だったと思います。
4. エンジニアとしてより広い視野をもてる
ビジネス全体を学ぶことで、ビジネスにおけるエンジニアリングの位置付けを感じることができます。
MBAでは会計やファイナンス、マーケティング、オペレーション、経営戦略、マネジメント、アントレプレナーといった内容を学びます。製品開発やエンジニアリングとといった言葉はでてきません。ビジネスの中ではエンジニアリングはちっぽけな一要素です。
留学前の私は開発部門で技術開発をしていましたが、とにかく性能の高い製品を開発しさえすれば良いのだ、という風に考えていました。製品開発や技術開発が真ん中にあり、それ以外の部門はそれをサポートしているだけ、というイメージです。
Entrepreneurshipのクラスでは、まず顧客のセグメントを設定し、その顧客のpain pointをとらえることから考えます。そして、そのpain pointをつかむことがとても重要でかつ難しいことをグループワークや実習で学びます。そして、そのpain pointを解決するためのサービスやプロダクトがあり、そして次にそのサービスやプロダクトをいかに顧客に訴求するか、を考えます。これがValue propositionの基本的な流れですが、これらの他に、開発パートナー(自社、外注)、販売チャネル、オペレーション、コスト構造、収益構造などを考えていく必要があります。
私のいた、開発部門というのが、このValue chainのほんの一部にすぎない、ということを痛感させられました。この視点は、他部署とのコミュニケーションを円滑に進める上でとても重要になります。通常のエンジニア業務をしているだけでは得られ難い、MBAならではのメリットではないでしょうか。
5. エンジニアリングが結局一番面白いことがわかる
結局、エンジニアリングが一番面白い、という発見にいたることもあります。
MBAではビジネス一般のことを広く浅く、一通り学ぶことができます。会計やファイナンス、マーケティング、オペレーション、経営戦略、マネジメント、アントレプレナーなどです。自分にとって何が面白いのかを知る、とても良い機会です。
私は、技術開発の一分野にいるのではなく、もっと広い範囲をみてみたいと留学前には思っていました。実際にMBAに行ってみて、勉強してみて分かったのですが、どれもエンジニアリングほど面白いと思えるものはありませんでした。ビジネスの分野は広すぎて、そこまでの範囲は自分ではやりたくないかな、と正直思いました。
これらの経験も無駄ではないと思います。実際にやってみて、やはりエンジニアリングをもう一度やりたいと思えたのも一つの収穫だと思います。もちろん人によっては自分が面白い、と思える分野に出会えることもあると思います。それはそれでとても素晴らしいことかと思います。
エンジニアからのMBAはおすすめ
以上、5つのメリットを解説しました。私自身はエンジニアからMBAに留学して、とても良かったと思っています。上記の内容に価値を感じられる方にはおすすめです。
現在、日本でエンジニアとして働いていて、MBAに興味がある、という方の参考になれば幸いです。